意識と無意識の調和-ポロック展

東京国立近代美術館で開催されている「ジャクソン・ポロック展」に出かけた。

かの有名な「インディアンレッドの地の壁画」は、やはり格別だった。全体を視野に入れようと離れて観ると、絡み合う線が有機的に立ち上がり、凄まじいエネルギーを発しているのを感じる。絵が放つ力と同時に、絵の引き込む力を感じながら、作品の前に立っていた。吸い込まれるほどの奥行き、その果てしない広がりに言葉を失う。 

ポロックの言葉で気になるもの。それは、意識と無意識の調和について。 

絵の中にいる時、私は自分が何をしているのか気づいていない。一種の「馴染む」時期を経て初めて、自分がしてきたことを理解する。 

私は変更したり、イメージを破壊したりすることを恐れない。なぜなら、絵画はそれ自身の生命を持っているからだ。私はそれを全うさせてやろうとする。結果がめちゃくちゃになるのは、絵とのコンタクトを失った時だけである。そうでなければ、純粋な調和、楽々としたやり取りがあり、絵はうまくゆく。 

Jackson Pollock “My Painting”1947 

大島徹也「ジャクソン・ポロック-存在と生成-」 

作家の個人展に行くのは久しぶりだった。その人の足跡をたどるように、年代を追って作品を観ると、人生とは、なるべくして起こることの積み重ねであると同時に、次に何が起こるかわからないものなのだと改めて思う。