李禹煥(リ・ウファン)展

先日、国立新美術館で開催されている李禹煥(リ・ウファン)の展示会に出かけた。 直島にある李禹煥美術館で彼の作品に触れたことはあったが、今回は回顧展とあって、1960年代から現在までの作品を流れとして体感することができた。…

ジャコメッティは何を描こうとしたのか

映画「ジャコメッティ 最後の肖像」を観る。思っていたより、居心地のよいの作品ではなかったのだけれど、彼がなぜ肖像画にこだわっていたのかを垣間みることができた気がする。 ジャコメッティについては、いくつかの作品を知る程度だ…

坂本龍一「設置音楽展」

ワタリウム美術館で開催されていた坂本龍一氏の「設置音楽展」に出かけた。自身の最新アルバム「async」を良質な環境で聴いてもらいたいという思いから、5.1ch サラウンドで音源を試聴できるよう企画されたという。 ゴールデ…

光の力 杉本博司「ロスト・ヒューマン」展

リニューアル・オープンした東京都写真美術館にて、杉本博司「ロスト・ヒューマン」展を見る。  以前、彼のモノクロ写真を見たとき、そのグレーの色調の美しさに見惚れてしまった。透明度があって、クリアなのだけれど、そこに暖かみが…

映画「ヴィヴィアン・マイヤーを探して」

父親が一眼レフカメラでモノクロームの写真を撮っていた影響もあってか、気づけばモノクロ写真を観るのが好きになっていた。人見知りのくせに、人を観ることは好きなので、名もなき人々のポートレート写真に惹かれる。自分も同じように、…

映画「ディオールと私」

映画「ディオールと私」を観た。  クリスチャン・ディオールのデザイナー、ラフ・シモンズが、就任して初めてのコレクションを発表するまでの8週間を追ったドキュメント作品で、創造することの喜びと、障害となるものとの戦いが描かれ…

人生は続いていく

少し前に「ローマ環状線、めぐりゆく人生たち」というドキュメント映画を観た。  ローマという都市で生活する人々の日常を切り取った作品で、登場人物たちが、自分の家族や仲間などと話をしている様を撮っている。時に嘆いたり、ぼやい…

映画「リヴァイアサン」の衝撃

ドキュメント映画「リヴァイアサン」を観てきた。「これは一体、どう観たらいいんだろう」と久しぶりに戸惑う作品だった。  そもそもこの映画を観に行こうと思ったのは、予告編を観たのがきっかけだ。映像と音響が溢れ出てくるような圧…

等しく美しい世界

国立新美術館で開催されている「アンドレアス・グルスキー展」に行ってきた。きっかけは展覧会のポスターになっていた、カミオカンデ(ニュートリノの観測装置)をモチーフにした作品に惹かれたのだ。    写真であるけれど、人間の視…

キース・ジャレット・トリオ

キース・ジャレット、ゲイリー・ピーコック、ジャック・ディジョネットのライブに出かけた。トリオ結成30周年記念公演と銘打たれたライブは、トリオでの最後の来日公演となるらしい。私にとっては、最初で最後のトリオ公演だ。  会場…